2026-10-02 / ブログ

サンプルは「工場が選んだ1個」。義烏の市場で、棚にある物を見る意味

サンプルは「工場が選んだ1個」。義烏の市場で、棚にある物を見る意味

中国から商品を仕入れるとき、多くの方がまずサンプルを取り寄せます。サンプルで品質を確かめてから発注する。正しい手順です。ただ、ひとつ忘れられがちなことがあります。サンプルは、売り手が選んで送ってくる1個だということです。

サンプルと量産品は、同じとは限らない

売り手がサンプルを送るとき、わざわざ出来の悪い1個を選ぶことはまずありません。特に新しい取引先には、いちばん出来のよい物が届くのが普通です。悪意がなくても、サンプル用に丁寧に作った物と、量産の流れで作られた物とでは、仕上がりに差が出ることがあります。

「サンプルは良かったのに、届いた量産品は別物だった」。中国輸入でよく聞く失敗のひとつです。サンプルを見ること自体は欠かせませんが、サンプルだけで判断するのは危うい、ということです。

義烏の市場には「今、売られている物」が並んでいる

当社が拠点を置く義烏には、数万の店が並ぶ世界最大級の日用品の卸市場があります。店の棚に並んでいるのは、誰かのために選ばれた1個ではなく、今まさに卸で売られている在庫そのものです。

棚にある物を見ると、サンプルからは分からないことが分かります。

ひとつは、ばらつきです。同じ商品を何個か手に取れば、縫い目や塗り、部品の合わせ目の出来に、どれくらい差があるかが見えます。

もうひとつは、比べられることです。同じような商品が、近くの何軒もの店に並んでいます。素材の手触り、重さ、箱や袋の作りを、その場で見比べられます。

そして、売り手と話せることです。在庫はどれくらいあるのか、色やサイズの追加はできるのか、自分の工場で作っているのか。その場で聞けば、メッセージのやり取りより早く、表情も含めて答えが返ってきます。

市場で見るときに気をつけること

市場の店は、工場が直接出している店もあれば、問屋や取次の店もあります。棚の物がよくても、その店が作っているとは限りません。OEMや大きな数量の発注を考えるなら、市場で見当をつけたうえで、工場まで確かめに行くのが確実です。

また、棚で見た物と、実際に発注して届く物が同じかどうかは、最後は届いた荷物を検品して確かめるしかありません。市場で見ることは、検品の代わりではなく、発注の前に失敗の芽を減らすための手段です。

まとめ:サンプルと、棚と、検品と

サンプルで品質の上限を見て、市場の棚でふだんの出来を見て、届いた物を検品で確かめる。この3つを重ねると、「サンプルは良かったのに」という失敗はぐっと減ります。

当社は義烏に自社の倉庫と検品チームを置いています。義烏の市場や工場を一緒に回る「市場・工場アテンド」も行っていますので、現地で確かめたいときはご相談ください。

執筆:和田太郎(タオタロウ代表)