検品
当社の差別化の軸は、価格の安さでも商品の発掘でもありません。不良を日本に着く前に止めることです。義烏の自社倉庫に検品のオペレーションを持ち、外注せずに自社の人員が実施しています。
出荷前の不良と、お客様に届いた不良は、損の大きさが違います
同じ「不良品1個」でも、どこで見つかるかで失うものがまったく違います。
出荷前に見つけた場合。失うのは仕入原価だけです。工場に戻して交換させることもできますし、あらかじめ多めに発注しておけば数量も埋まります。
お客様に届いてしまった場合。その1個の売上がまるごと消えます。販売手数料は戻らず、返送と廃棄の費用がかかり、低評価のレビューが残ります。
つまり、判断に効くのは工場の不良率そのものではなく、検品をすり抜けて出荷されてしまった率です。
検品は、粗利を上げるための作業ではありません
ここは正直に書きます。工場の不良率が数パーセントの範囲であれば、検品してもしなくても粗利率はほとんど変わりません。検品費の分だけ、むしろ下がることもあります。
ですから当社は「検品をすれば儲かります」という言い方をしません。検品が効くのは、粗利という連続した数字ではなく、越えた瞬間に販売そのものが止まる線のほうです。
効くのは ODR という「崖」です
Amazon では、注文不良率(ODR/Order Defect Rate)が1%を超えるとアカウントの出品停止の対象になります。これは Amazon が公表している基準です。
検品をしない場合、工場の不良率はそのままお客様に届きます。つまり工場の不良率が1%を超えた時点で、その商品は出品停止の危険圏に入ります。
不良率1%は、中国の量産品では珍しい数字ではありません。単価の安い商材ほど、この線は簡単に越えます。
ODRは「費用」ではなく「崖」です。だから粗利の計算に混ぜてはいけません。粗利の表に足し込むと、崖が平らな数字に見えてしまいます。別に見る必要があります。
何を見るかは、商材ごとに組みます
| 項目 | 見るもの |
|---|---|
| 外観 | 傷、汚れ、色ムラ、印刷のズレ、バリ |
| 採寸 | 指定寸法との差。許容差をあらかじめ決めておきます |
| 計量 | 重量。中身の量や材質の違いがここで出ます |
| 通電 | 電気を使う製品の動作確認。スイッチ、充電、発熱 |
| 付属品の照合 | ケーブル、説明書、予備部品の有無と数 |
| 梱包 | 個装、緩衝材、外装の強度。輸送で壊れないか |
全部の項目をやることが目的ではありません。その商材が過去に何で返品されたかから逆算して組みます。アパレルなら採寸と縫製、電気製品なら通電と絶縁、食品用の器具なら材質と表示、というように重心が違います。
全数検品にするか抜取検品にするかは、単価・数量・過去の不良の出方で決めます。単価が高く数量が少ないものは全数、単価が低く数量が多いものは抜取が合うことが多いですが、一度でも重い不良が出た工場は全数に切り替えます。
どこで検品するかが、そのまま結果を決めます
日本に着いてから不良を見つけた場合、国際送料も、倉庫への納品費用も、すでに支払い済みです。工場に戻すには国際便で送り返すことになり、多くの場合それは割に合いません。値引き交渉も、着荷後では通りにくくなります。
義烏で見つければ、工場は目と鼻の先です。戻して交換させることも、その場で選別することもできます。仕入れ・加工・検品・梱包が一度で終わるため、箱を二度開ける必要もありません。
一件ずつ、記録に残しています
検品は、代行サービスの中に埋もれて外から見えなくなりがちな作業です。だから当社は、誰が、何を、どの基準で見て、どう判定したかを一件ずつ記録に残しています。気になる点があれば、その場でご連絡します。
記録が積み上がると、工場ごとの傾向が見えてきます。どの工場が何で落ちやすいか、どの季節に品質が動くか。それが次の発注先を決めるときの判断材料になります。検品は、その場の合否だけでなく、積み上がって初めて効く記録でもあります。
検品だけのご依頼も承ります
他社で仕入れた貨物の検品、すでに工場や倉庫に置いてある在庫の検品といった、検品だけのご依頼も外貿部でお受けしています。当社を通して仕入れたものでなくても構いません。お気軽にご相談ください。
ただ、正直に申し上げると、検品だけで終わることはあまりありません。不良が見つかれば工場と交渉することになりますし、選別して詰め直せば梱包が要ります。そのまま日本へ送る段になれば、国際輸送の手配が要ります。結果として、買い付けから日本への配送までをまとめてお任せいただく形になることが多くあります。
それで構いません。まず検品だけ試していただくのが、当社の仕事をいちばん分かりやすくご覧いただける入り方だと考えています。
ご相談ください
検品の項目設計と、全数か抜取かの判断は、商材と販売チャネルによって変わります。取り扱われている商品と、過去に起きた不良の内容をお聞かせいただければ、組み方をご提案します。お問い合わせはこちら。